わがアナーキズムの偉大なる先達、安部公房に捧げる
E=MC^2
今回はE=MC^2の解読である。分かりきっている方は読み飛ばしていただきたい。

(1)
エネルギーと物質が等価であることを示したこの式の意味を、ごくごく簡単に説明してみる。
まずはそれぞれの意味だが、Eはエネルギー、Mは物質の質量、Cは光速である。Mの単位はグラム(g)、Cはセンチメートル(cm)/セコンド(sec)で表す。ここでは、1gの質量と等価のエネルギーを求めよう。光速Cは、300億センチメートル、つまり3*10^10センチメートルである。

E=1g*((3*10^10cm/sec)*(3*10^10cm/sec))

となる。この記号も数学の決まりどうりに計算しよう。まず、

(3*10^10/sec)*(3*10^10/sec)

は、分母同士を掛け、分子同士を掛ける。すると、

(3*10^10cm)^2/sec^2

となる。次に、分子を計算する。これを開くと、

9*10^20cm^2

になる。ここに、カッコの前にあった1gを掛けると、

9*10^20g*cm^2

と云うことになる。

おっといけない、これは右辺の分子だけであった。左辺と右辺の分母を加えて、等式を書き直すとこうなる。

E=9*10^20g*cm^2/sec^2

ようやく1グラムの物質と等価のエネルギーが求まった、はずなのだが今ひとつ釈然としない方もいるだろう。意味不明の「g*cm^2/sec^2」は一体なんなんだ、と。実はこれは、エネルギーの単位である。

(2)
cmは長さの単位であり、これを時間で割ったもの(cm/sec)が、速度である。

次に加速度を考えよう。一秒あたりの速度の変化を求めるには速度を秒で割る((cm/sec)/sec、つまりcm/sec^2である)。

質量(グラムg)*加速度が力である。質量に加速度をあたえるのが力と云うわけだ。つまりg*cm/sec^2となる。これはダインという単位でもある。

ダインにcmを掛けると、g*cm^2/sec^2となる。これを仕事と呼ぶ。ダインの抵抗(力)に逆らって物体を動かす時に行われるのが仕事なのだ。この単位をエルグと呼ぶ。E=MC^2で求めたのは、このエルグだったのである。

どうだろうか。単位にも明確な意味があり、筋が通っているのだ。科学の美しさに感動する瞬間である。(まあ、水だのオーラだの言っている連中には分からないかも知れないが)

ちなみに、1グラムの物質と等価のエネルギー量は、長崎に投下された原爆とほぼ同じである。


本稿はアシモフ「時間と宇宙について」(早川文庫)および清水義範「単位物語」(講談社文庫)を大いに参考にしました。
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック