わがアナーキズムの偉大なる先達、安部公房に捧げる
加速器でブラックホール


「加速器で地球消滅」・米の元政府職員ら提訴
nikkei net 2008/3/30

 【ワシントン30日共同】欧州合同原子核研究所(CERN)がスイス・フランス国境で建設中の巨大加速器で生成されるブラックホールに、地球がのみ込まれる恐れがある―。こう主張するハワイ在住の元米国政府職員らが、CERNや米エネルギー省などを相手に計画の差し止めを求める訴訟を、ハワイ連邦地裁に起こした。米ニューヨーク・タイムズ紙が29日報じた。

 加速器は一周27キロで世界最大の「大型ハドロン衝突型加速器」(LHC)。陽子同士を衝突させて質量の元になる未発見の粒子を確認するなどの物理実験を、今年夏から始める。CERNなどによると、極小のブラックホールをつくる計画はあるが、短時間で消滅し、深刻な影響が出る可能性はないという。

 訴えたのは米退役軍人省の元放射線安全担当官ウォルター・ワグナー氏ら。生成された数多くの極小ブラックホールが融合して大きくなったり、接触した物質を高密度の塊に変えてしまう仮説上の粒子が発生したりして、地球が壊滅する可能性があるとしている。(15:21)



ブラックホールが融合して大きくなる、というのは、よほど大きなブラックホールどうしの場合だったと記憶している。ミニ・ブラックホールは消滅するだろう。加速器から造られるブラックホールは、それこそ原子数個分の質量しかないだろうから、一秒の何万分の一、とかの寿命しか持たないはずだ。「ホーキング、宇宙を語る」を読んでみよう。

「ブラックホールは質量が小さいほど温度が高く、蒸発の速度も速いので最終的には大爆発(水爆数百発分とか)を起こして完全に消滅する、と考えるのが理にかなっている(大意)」

上記ホーキング博士が「最終的には大爆発」と言うのは、蒸発する際の粒子の放射を、爆発に喩えているのだと、僕は思う。そしてそのエネルギーは、ブラックホールの重力場から供給される。
(参考:ホーキング放射)
http://www.aoiiruka.jp/utyuu/black-hole-4.htm


原子数個分のブラックホールが供給できる重力場エネルギーが生成できる粒子は、僅かなのだと思うのだが、どうだろうか。


参考として挙げると、ウラン原子と反ウラン原子が対消滅する時のエネルギーは、7.1064572 × 10^-8ジュールである。対消滅は質量のすべてがエネルギーに替わる。かりに、ブラックホールがウラン原子と同等の質量を持っていたとして、その重力場が供給できるエネルギーは対消滅よりも小さい(最高でも同等)だろうと、推測できる。

1ジュールは「地球上でおよそ102 グラム(小さなリンゴくらいの重さ)の物体を1メートル持ち上げる時の仕事に相当」(wikiより)である。ここでは0.00000007ジュールだから、本当に微々たるものなのだ。

もう少し詳細な数字はないか、と探していると、7テラ電子ボルトのエネルギーでブラックホールを作るらしい。7テラ電子ボルトとは、1.12152352 × 10^-6ジュール。先ほどのウラン原子よりも2桁大きいが、それでも0.00・・である。安心されたい。
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2008/04/02(水) 21:03:15 | 話題のキーワードでブログサーチ!