わがアナーキズムの偉大なる先達、安部公房に捧げる
どこまで行っても妄想は妄想
2007年5月20日の「しんぶん赤旗」の記事「「靖国」派がめざす国家像とは?」を読み、新憲法制定促進委員会準備会作成の「新憲法大綱案」なるものの存在を知った。調べてみると、まるでパラノイアの妄想を書き綴っているような、気味の悪い怪文書であった。

これとそっくりのものには自由民主党政務調査会憲法調査会憲法改正プロジェクトチームが作成した「論点整理」がある。自民党新憲法草案はこの「論点整理」に基づいて作成されている。


すべての妄想(考察?)を打ち砕くことは煩瑣になるので、一部の特に症状が重い部分のみに反論する。
(以下の抜粋引用は「新憲法大綱案新憲法大綱案」より)

(1)
前文に関して

>日本国民が、和の精神をもって問題の解決をはかり、時代を超えて国民統合の象徴であり続けてきた天皇を中心として、幾多の試練を乗り越え、国を発展させてきたこと。

日本には長い戦国時代もあった。和の精神?は?

>国民主権の議会制民主主義を統治の基本原理とし、これを堅持すること。

議会制民主主義(間接民主制)には、世襲政治家やタレントの人気投票など、当然問題もある。この制度を堅持すると云うことは、これからも国民から搾取しようとする意図が見える。

>基本的人権を尊重するとともに、国民一人ひとりが、公民としての自覚をもって、権利および自由を公共のために役立てること。

順序が逆だ。国民一人一人の自由を保障するために国家や公共がある。寝言はやめていただきたい。

>地域社会に固有の伝統や文化を尊重し、その特性を活かした地方自治を推進することによって、多様性と創造性に富む国家を構築すること。

補助金をアメムチと使い分け、地方自治を妨害しているのは政府である。新憲法ではこれが改善されるのだろうか?(天木直人氏のブログの2007年05月21日の記事「米軍再編交付金制度という名の暴力」を参照のこと)


>国際平和の維持に積極的に貢献し、圧政や人権侵害を排除する不断の努力を怠らないこと。

要するに、アメリカと一緒になって戦争をしたい、とこういうことか。だいたい国内の社会不安が広がっているのに外国の面倒を見る余裕がどこにあるのだ?

(2)
基本的人権に関して

>権利には義務が、自由には責任が伴うという共同社会の基本原則、および基本的人権の普遍的価値を承認しつつ、わが国の歴史、伝統、文化に基づく固有の権利・義務観念をふまえた人権条項を再構築し、現代の要請に対応する新しい人権を積極的に導入する。

なぜ、こうも繰り返し「権利には義務が、自由には責任が伴う」と主張するのか疑問だ。基本的人権とはすべての人間が生まれながらに持っている権利である。新生児や知的障害者等の、社会に参加することが困難な人間にも認められるものである。
権利に義務は伴わないし、自由には責任が伴わない。これを否定する人間は、新生児の人権を否定することになるのだ。

>(1)人権制約原理の明確化
>・現行憲法で多用されている「公共の福祉」という曖昧な概念に代え、人権の制約原理として、「国または公共の安全」、「公の秩序」、「他者の権利および自由の保護」など、より明確な概念を規定する。

公共の福祉とは他者の人権との兼ね合いを意味する。国の安全や公の秩序などといったチンケなものに置き換えていいものではない。

>(2)多神教的風土に配慮した政教分離原則の緩和
>・わが国の多神教的風土や宗教的伝統に深く根ざした各種行事を通じて為政者がその責任を自覚することは、政治の公正を確保するうえで重要な意味をもつ。ゆえに、政教分離原則があくまでも「特定宗教の布教・宣伝を目的とした国およびその機関の宗教的活動の禁止」を求めるものであることをふまえ、国家的・社会的儀礼や習俗的・文化的行事等の範囲内で国や地方公共団体が宗教的行に参画することを可能にする。

なぜこうも靖国に固執するのか疑問だ。政教分離規定は、国家による宗教の強制や思想統制を禁じる意味合いもあるのではないか?だいたい「国家的・社会的儀礼や習俗的・文化的行事等の範囲」を誰が決める?

>(3)家族の保護規定の新設
>・祖先を敬い、夫婦・親子・兄弟が助け合って幸福な家庭をつくり、これを子孫に継承していくという、わが国古来の美風としての家族の価値は、これを国家による保護・支援の対象とすべきことを明記する。

国家が国民生活に口を出すと云うのだ。生き方は多様であっていいはずである。国家公認の「美風としての家族の価値」などヘドがでる。

>(4)公教育に対する国家の責務
>・次代を担う人材の育成が日本の将来を左右する重大問題であることにかんがみ、公教育の目標設定をはじめ、公教育に対する国家の責務を明記する。

公教育の目標とは愛国心の育成か?

(3)
地方自治について一カ所だけ

>地方自治特別法に対する住民投票制度の廃止
>・これまでほとんど実例がなく、分権化の趨勢にも適合しない現行憲法95条(地方自治特別法の住
民投票)を削除する。

ここは自民党案と同じである。権力者は自分以外の権力の存在を嫌うようだ。地方自治が強力になり言うことを聞かなくなったら、政府は困る。そうならないように地方の力を押さえることが目的だ。

最後に、何を考えているのかミエミエの、このパラノイアックな怪文書を作成した連中の名簿を掲載する。読者賢君においてはこいつらに貴重な一票を投じないよう気をつけられたし。

新憲法制定促進委員会準備会

座長
古屋圭司(自由民主党・衆議院議員)

事務局長
萩生田光一((自由民主党・衆議院議員)

〔衆議院〕
自由民主党
赤池誠章
稲田朋美
今津寛
奥野信亮
加藤勝信
木原稔
高鳥修一
戸井田徹
西川京子
古川禎久
松本洋平

民主党
松原仁
笠浩史
鷲尾英一郎

無所属
平沼赳夫

〔参議院〕
自由民主党
秋元司
有村治子
鴻池祥肇
中川義雄
福島啓史郎

民主党
大江康弘
芝博一

国民新党
亀井郁夫

※平成19年5月3日現在



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コメント
この記事へのコメント
何度か時間がある時に拝見させて頂いております。
更新を楽しみにまた見にきますね(*ゝω・)ノ
2007/05/25(金) 01:03:12 | URL | 髪型 #-[ 編集]
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