しかし提唱者である江本勝は、水の実験をする際に、じつにいいかげんな検証をしているのである。「江本勝の日記ウェブサイト」を読むと、50個ほどのシャーレにサンプルを作り、言葉に合った結晶を江本勝の主観で選んでいる、とある。ここには科学実験の基本である客観性がない。
観測する人間は生のデータを収集するのではなく、自分が欲しいデータを選んでいるのである。ダブルブラインドテストなどという概念もまったくない。この事象を疑似科学にしている原因は、江本勝の非科学的な検証にあると言っていいだろう。
また江本勝自身は、水の結晶を「ポエムだ思う。科学だとは思っていない」と言っている。つまり、自然科学的な実験ではなく、写真付きのフィクションだと云うことだ。結晶写真は、ある種の造形物であろう。
資料:「江本勝の日記ウェブサイト」より引用
http://www.masaru-emoto.net/newemoto2/index200712.html
1.実験方法について
水はプラスチック製のシャーレに0.5cc程滴下させて、フリーザーにて−25℃で氷結させます。
氷結したサンプルは半円形となり、結晶体はその半円形の頂上部分にあります。 観察は大型冷蔵室で行います。(その中にフリーザーと顕微鏡があります。)
使用している顕微鏡は金属光学顕微鏡で、光は上からサンプルへ落射させます。観察倍率は100倍〜200倍です。実物の結晶は0.5mm〜0.7mm程度です。
2.言葉の実験について 言葉を何回か水にかけるのではなく、文字をビンに水をいれてサンプルを作成します。
1つの水のサンプルから複数(50〜100)の氷結サンプルを作り観察します。
写真も複数枚撮影されますが、その中で代表的な1枚は江本所長によって選ばれます。つまり、この言葉にはこの結晶が相応しいという江本所長の主観による判断なされるわけです。
実験方法については文章で説明すれば上記1のようになりますが、言葉が水に与える影響を検証するという精妙なレベルの実験を行うには少なからず経験が必要になりますので、時間をかけて行う必要があると思われます。
起訴された場合の有罪率は9割を超える。「確実に有罪に出来るものしか起訴しない」などとよく言われるが、まあそうなのではあろう。だがここで考えていただきたい。検察は自分の判断で、起訴するかしないかを決める。確実に有罪に出来る人間のみを選りすぐって法廷に送るのである。被疑者の有罪無罪を決めるのは検察だと言っても過言ではない。
以下は、僕がいつも読ませてもらっている「医療報道を斬る」ブログで紹介されていたサイトである。出来れば全文を原本で読んで欲しいが、肝要な部分を抜き出すので、お忙しい方はせめてこちらを読んでおいていただきたい。
取調べを受ける心がまえ
http://www.m-akita-lawoffice.com/miwa-akitanote.pdf
2、取り調べは相当厳しく、大声で怒鳴られることもあるかと思います。警察から殴られたり暴力を振るわれるようなことも、あるかもしれません。あったらすぐに弁護人に面会を求めて報告して下さい。
あまりひどいことを言って怒鳴られたら、誰が言ったか、その『セリフ』をよく覚えておいて、差入をした「被疑者ノート」に書いて報告して下さい。「てめぇこのやろう」とか、「警察をなめるなよ、ばかやろう」というようなたぐいのセリフです。
警察官は『犯罪捜査規範(国家公安委員会規則)によれば『個人の基本的人権を尊重して捜査をしなければならない』とされています。
あなたの取り調べにあたって、大声で脅せば、警察官の方が『脅迫罪』を犯していることになりますし、そういう取り調べ方法は違法です。
3、(略)
『指印』は法律的には、押さなければならないという義務はありません。断ることも法的には自由です。法的には、取調官の方が、あなたに署名押印をお願いできるだけなのです(刑事訴訟法198条5項「被疑者が、調書に誤のないことを申し立てたときは、これに署名押印を求めることができる。但し、これを拒絶した場合はこの限りでない」)
調書を見て、よく読んで納得がいったらサインをしてもかまいません。そうでなければ「弁護士に相談する」と言って、弁護人が面会にいくまでサインは断ってかまいません
調書は『白紙』でもかまいません。調書を、取るも取らぬも法的にはあなたの自由です。サインがなければ、その調書は裁判所に出されることはありません。もっとも、被疑者の人は、ちゃんと調書をとってもらわないと不利になるのではないかと思い込みがちです。取調官もそのような被疑者の心理をよく知っていて「そんな、否認をするなら、これ以上は取調べをしない」などと突き放してくることもあります。
しかし、不安になる必要はありません。言いたいことを言うチャンスはいくらでもあります。必要な言い分は、弁護人から伝えることも可能です。しかし、取調官は、決められた期間のうちに、捜査を終えなければなりません。そのため、ずっと調書を拒否していたら、根負けした取調官の方が、被疑者に「調書を取らせてくれ」と頼んできたこともあります。実際には、調書を取りたいのは取調官の側なのです。とにかく少しでも悩んだら、弁護人とよく相談してください。サインをするのは、弁護人と相談してからでも、決して遅くはありません。
否認をしていると、取調官は、よく「そんなことを言っていると不利になるぞ」と言ってきます。しかし、よく考えてみてください。彼らは「真実」を語るように求めているでしょうか?「真実」ではなく 「彼らが考えている嘘のストーリー」を押しつけ、ようとしているのではないでしょうか。嘘のストーリーを認めなければ、不利になるというのはおかしくないでしょうか。しかも、彼らは「重い罪を認めないと不利になる」と言っているのと同じです。実際は逆です。嘘で重い罪を認めたことによって、有利になるはずはないのです。
また、取調官は、よく弁護士の悪口を言ってきます 「あの弁護士の言うことを聞い。ていたら、お前の不利になるぞ 「弁護士は金のことしか考えていない」などと言った」悪口です。
一度、調書を取られても、訂正したかったら「間違っていたので、もう一度調書を取り直してて下さい」と、言ってください。よく、一度言ってしまったことは、撤回ができないかのように思い込んでしまう人が多いのですが 撤回は可能です。要はあなたにとって何が真実かなのですただし先ほども述べましたように、中途半端な訂正は、かえって不利になるかもしれませんので、慎重にして下さい。
5、警察には、仕事の性格上 『逮捕して、取調を強行すること』は正義であり 『黙秘したり、弁護をされること』は悪であるという感覚を持つ人が多いのですが、そうではありません。
「悪いことをしておいて、なんで弁護士をつけるんだ」とよく言われますが、そんなことはありません。あの(しゃべることの好きな)田中角栄元総理も『黙秘権』を使って、捜査での取り調べでは一切しゃべっていませんし、調書も全く取っていません。裁判所においても『黙秘権』を使って結局何もしゃべりませんでした (法律的には違法ではなく、合法です )。また神奈川県警の現職警察官ですら、警察が共産党の『電話盗聴事件』をおこし、検察官の調べを受けたとき、この『黙秘権』を使って一切しゃべらなかったのです(これも合法です)。
2008/01/09-16:14 時事ドットコム
国旗国歌「泣かない人考えられない」=都教育委員辞令交付で瀬古氏
東京都教育委員に昨年末就任した男子マラソン元五輪代表の瀬古利彦氏に9日、石原慎太郎都知事が辞令交付した。瀬古氏は交付式後記者団の質問に答え、都教委が入学式などで国旗掲揚と国歌斉唱を義務付ける通達を出していることについて「個人としては、日の丸を見たら涙がいつも出てくる。日の丸を見て国歌を聞いて泣かない人は私には考えられない」と述べた。
都内の公立学校では2003年の通達に基づく校長の職務命令を拒否し、減給などの懲戒処分を受けた教職員が延べ388人に上っている。
瀬古氏自身は過去の五輪で国旗国歌への愛着を深めたと説明した上で、職務命令を拒否する教職員について、「オリンピックに連れて行き、日の丸が揚がる姿を見てもらいたい。そうしたら変わります」と語った。(了)
瀬古利彦は日の丸を見ると、条件反射のように涙が出てくるそうだ。まあそういう体質の人間も、この世には存在するかもしれないな、と僕なんかは思う。体質だから、そのことで瀬古利彦をどうこう言ったりはしない。
だが、職務命令を拒否する教職員に対して「オリンピックに連れて行き、日の丸が揚がる姿を見てもらいたい。そうしたら変わります」などと言い出したら別である。自身の体質(あるいは心情)と、他者のそれを同一にしようとするのは傲慢であり、無茶苦茶である。
オリンピックでも気持ちが変わらない人間には何と言うのか聞いてみたいところではある(ちなみに僕は、オリンピックを含むスポーツには一切関心もない)。スポーツとは、与えられた条件の中でいかに自己に有利に振る舞うかを競うものであり、それから何を感じるかは人によって異なるであろう。
選手の努力に感動する方もいれば、人間離れした技量に感心したり、美形選手にあこがれたり、ヒールを見つけて喜んだり、etc。国旗をみてばかみたいに泣くだけがスポーツ観賞ではない。
自身の意見を主張するのならば(例えば、日の丸と君が代を尊重させたいとか)、感情ではなく理にそって発言するべきであろう。自らの体質を根拠に情に訴えると云うのは、下劣である。世間さまは瀬古利彦の体質になんか興味はないと思うが、どうだろうか。
問題は、瀬古利彦が東京都教育委員と云うことである。マラソン選手と教育委員に求められるスキルは異なるだろし、非論理的な人間が、教育と云う理を重んじるべき(少なくとも僕はそう思う)役を負うのは筋ちがいである。理性ある人間は、非ロジカルな主張に納得してはいけない。東京都教育委員の瀬古利彦は、ただ反面教師としてのみ利用価値があるのかもしれない。
質問書
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/syuisyo/168/syuh/s168089.htm
答弁書
http://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/syuisyo/168/touh/t168089.htm
(質問書前文)
現在、我が国の財政収支は危機的な状況にある。その中で、財政再建を始め社会保障財源として消費税の引上げ論議が起きている。しかし、安易な消費税の引上げは個人消費を引き下げ景気にマイナスの影響をもたらすことも大きく懸念されている。
こうした事実を踏まえ、以下質問する。
(問い)
一 平成元年に消費税が導入されたときの理念、目的は何か明らかにされたい。
(答え)
一について
消費税の導入は、当時の個別間接税制度が直面していた諸問題を根本的に解決し、税体系全体を通ずる税負担の公平を図るとともに、国民福祉の充実等に必要な歳入構造の安定化に資するため行われたものである。
(問い)
二 消費税導入前と後で個人消費、企業の設備投資、総需要はどのように変化したか、明らかにされたい。
(答え)
二について
御指摘の消費税導入前と後の個人消費、企業の設備投資及び総需要の変化を、昭和六十三年度と平成元年度における国民経済計算(平成七暦年基準、固定基準年方式)の家計最終消費支出、民間企業設備及び国内需要の名目値及び対前年度実質変化率でみると、昭和六十三年度は、家計最終消費支出につき二百三兆八千九百二十一億円及び五・一パーセント増、民間企業設備につき七十一兆五千八百二十八億円及び十九・五パーセント増、国内需要につき三百七十八兆六千三百二十五億円及び七・三パーセント増であり、平成元年度については、家計最終消費支出につき二百十七兆八千四百四十三億円及び四・○パーセント増、民間企業設備につき八十兆五千三百七十五億円及び一〇・七パーセント増、国内需要につき四百九兆百十四億円及び四・六パーセント増であった。
*キンシャチ注:数字が分かりにくいので、読みやすいようにまとめてみた。
昭和六十三年度
家計最終消費支出につき203兆8921億円及び5.1パーセント増
民間企業設備につき71兆5828億円及び19.5パーセント増
国内需要につき378兆6325億円及び7.3パーセント増
平成元年度
家計最終消費支出につき217兆8443億円及び4.0パーセント増
民間企業設備につき80兆5375億円及び10.7パーセント増
国内需要につき409兆114億円及び4.6パーセント増
(問い)
三 平成九年に消費税が三パーセントから五パーセントに引き上げられた。その理由、目的は何か明らかにされたい。
(答え)
三について
消費税と地方消費税とを合わせた税率五パーセントへの引上げを含む税制改革は、活力ある福祉社会の実現を目指す視点に立ち、社会の構成員が広く負担を分かち合い、かつ、歳出面の諸措置の安定的な維持に資するような所得、消費、資産等の間における均衡がとれた税体系を構築する観点から、個人所得課税の累進緩和等を通ずる負担の軽減並びに消費税の中小事業者に対する特例措置等の改革及び税率の引上げによる消費課税の充実を図るほか、地方消費税を創設することにより地方税源の充実を図るため、行われたものである。
(問い)
四 消費税引上げの前と後で個人消費、企業の設備投資、総需要がどのように変化したか明らかにされたい。
(答え)
四について
御指摘の消費税引上げの前と後の個人消費、企業の設備投資及び総需要の変化を、平成八年度と平成九年度における国民経済計算(平成十二暦年基準、連鎖方式)の家計最終消費支出、民間企業設備及び国内需要の名目値及び対前年度実質変化率でみると、平成八年度は、家計最終消費支出につき二百七十六兆五千九百三十一億円及び二・七パーセント増、民間企業設備につき七十六兆二千七十一億円及び五・七パーセント増、国内需要につき五百六兆二千九百六十二億円及び三・一パーセント増であり、平成九年度については、家計最終消費支出につき二百七十七兆八千九百五十四億円及び一・一パーセント減、民間企業設備につき七十八兆七千六百八十一億円及び四・〇パーセント増、国内需要につき五百六兆千三百五十七億円及び一・一パーセント減であった。
*キンシャチ注:
平成八年度
家計最終消費支出につき276兆5931億円及び2.7パーセント増
民間企業設備につき76兆2071億円及び5.7パーセント増
国内需要につき506兆2962億円及び3.1パーセント増
平成九年度
家計最終消費支出につき277兆8954億円及び1.1パーセント減
民間企業設備につき78兆7681億円及び4.0パーセント増
国内需要につき506兆1357億円及び1.1パーセント減
(問い)
五 個人消費に課税する消費税は総需要抑制効果を生じさせ、経済成長を低下させる要因となるのではないかという指摘があるが、政府の認識を示されたい。
(答え)
五について
消費税については、その簡素な仕組みともあいまって貯蓄や投資を含む経済活動に与えるゆがみが小さいほか、国境調整を通じて税率の変更が国際競争力に与える影響を遮断できるという面があると考えており、他の税と比較して経済成長を低下させるものとは考えていない。
(問い)
六 消費税が導入されて十九年近く経つが、導入当初の目的はどの程度達せられたと考えるか、政府の認識を示されたい。
(答え)
六について
消費税の導入により、物品税等が廃止され当時の個別間接税制度が直面していた諸問題が根本的に解決されたとともに、税負担の公平及び国民福祉の充実等に必要な歳入構造の安定化に資したものと認識している。
(問い)
七 個人消費を増大させ、経済成長を促して財政再建を達成するためには消費税の増税よりは、むしろ消費税減税と所得税増税をセットで行い所得の再分配機能を高めるべきだとの議論があるが、政府の認識を示されたい。
(答え)
七について
政府としては、現在の極めて厳しい財政状況等を踏まえれば、経済成長を維持しながら、歳出・歳入一体改革に正面から取り組むことが必要であると考えており、歳出改革・行政改革を実施した上で、それでも対応しきれない社会保障や少子化などに伴う負担増に対しては、安定的な財源を確保し、将来世代への負担の先送りを行わないようにするため、国民的な合意を目指して、本格的な議論を進め、消費税を含む税体系の抜本的改革を実現させるべく、取り組むこととしている。
なお、「消費税減税と所得税増税をセットで行い所得の再分配機能を高める」ことにより経済成長を促して財政再建を達成できるか否かについては、御指摘の消費税減税や所得税増税の具体的な内容や、個人の勤労意欲や消費行動等を通じた経済成長への影響が明らかでないため、一概にお答えすることは困難である。
消費税が経済的弱者を直撃する逆累進課税であることは、多くの方に指摘されている。
そして現在、低所得者が非常に多いことは、政府も認識している。
http://www.nta.go.jp/kohyo/tokei/kokuzeicho/minkan2006/menu/pdf/001.pdf
1年を通じて勤務した給与所得者4,485万人について、給与階級別分布をみると、300万円超400万円以下の者が 756万人(構成比16.9%)で最も多く、次いで200万円超300万円以下の者が718万人(同16.0%)となっている。
それなのに、政府は経済的弱者を苦しめる消費税をこのように肯定している。(上記質問主意書の回答より抜粋)
簡素な仕組みともあいまって貯蓄や投資を含む経済活動に与えるゆがみが小さい
国境調整を通じて税率の変更が国際競争力に与える影響を遮断できるという面がある
他の税と比較して経済成長を低下させるものとは考えていない
税負担の公平及び国民福祉の充実等に必要な歳入構造の安定化に資した
つまり政府は、弱者の苦しみには目を向けず、「国際競争力に与える影響を遮断できる」とか、「経済成長」とかの方が大事だと言っているのである。だいたい、消費税を導入して国民福祉は充実しただろうか?
現在、医療も年金も崩壊した。
ワーキンプアが増加する。
低所得世帯の消費支出に比べ、生活保護世帯が受け取っている食費や光熱水費などの生活費(生活扶助)の額の方が高くなっていると云う理由で、生活保護の支給額をカットしようとする。
僕には、国民福祉の一片も見いだすことは出来ない。
ここに、野阿 梓というSF作家の、「ジャパネスクSF試論(初出:「ユリイカ」ポスト・サイバーパンク特集 1993.12)」と云う文章がある。著者本人の感じた、戦慄の記憶である。
http://noah1984.hp.infoseek.co.jp/sf.htm
(前略)
思い返しても慄然とするのは、八九年一月七日を終点とする、数百日にわたって日本列島をとらえた不気味な狂騒である。
あの夜、筆者はある地方都市のジャズ喫茶にいた。いっさいの<歌舞音曲>が禁止されて、当日に予定されていたジャズ・フェスティヴァルがお流れとなり、鬱屈した客やミュ−ジシャンたちがその店に集ったのである。ごく自然にジャム・セッションがはじまり、<非国民>どもの祝祭は明け方までつづいた。われわれはそのようにして<昭和>を葬送した。しかし、その夜、店のそとの繁華街は人影も紅燈もたえ、暗い冷たい静寂につつまれていたのだ。その闇と沈黙の深さは、作家をおびえさせるに十分だった。
数百日にわたる狂騒。マスコミの<自粛>と規制。音を消されたCF。全国にミカドの快癒を祈願する<記帳所>がもうけられ、セ−ラ−服の少女から前衛党の党首までが列をつくった。その呪術的光景。しかし、あれが本当の日本の姿なのだ。近代的な社会システムや機械文明の被膜をいちまい剥いだその下に現れる、民族的精神の古層。それがあの狂騒の正体だったはずである。そのプレッシャ−のなかで、筆者はついに作中の現時点で在位する天皇のことを、「あの方」としか表記できなかった。この気持ちは、書き手にしか判らないかも知れない。
ここでの記述は僕(キンシャチ)の記憶とも合致する。「音を消されたCF」とはおそらく井上陽水の「みなさんお元気ですか」であろう。
http://jp.youtube.com/watch?v=1Aychw09G1E
音が消されたバージョン。
http://jp.youtube.com/watch?v=qdxD7uY0nlQ&feature=related
また「自粛」なる、当時は聞き慣れない言葉が流行語ともなった。天皇の具合が悪いと言って、各種イベントが中止に追い込まれたのだ。せっかく準備したイベントが中止になったら、経済的損失を被る方もいるだろうし、関係者にも迷惑がかかる。だいたいイベントを中止したからと言って、天皇の具合が良くなるわけではないのだ。全く因果関係のない事象である。
ミカドの快癒を祈願して記帳した前衛党の党首とは、土井たか子だろう。
http://oohara.mt.tama.hosei.ac.jp/rn/59/rn1989-313.html
八八年九月一九日の天皇の発病と九月二四日の病状悪化によって、さまざまな行事の「自粛」や病気快癒の「決議」、「記帳」などの動きが強まり、これを契機に昭和天皇の戦争責任をめぐる論議も高まった。このようななかで、社会党は土井委員長が宮中に参内して記帳し、戦争責任については、責任ありとする土井委員長の憲法学者としての個人的見解と、基本的にはないとする『社会新報』社説の公式見解を使い分けるなど、複雑な対応を示した。
そこへ行くと、共産党はさすがである。
http://oohara.mt.tama.hosei.ac.jp/rn/59/rn1989-339.html
八八年九月一九日に天皇が吐血して重体におちいり、以後死去する八九年一月七日まで、異様な「自粛」「記帳」運動が展開された。共産党は、天皇の美化、元首化をはかるものであり、憲法に規定された象徴天皇制の逸脱と国民主権原則への違反であるとして、このような動きを批判するとともに、機関紙などで天皇の戦争責任を追及する論陣をはり、地方議会での「快癒決議」にも反対した。
議会で快癒決議などを採択したからといって、天皇の病状が回復しないのは上にも書いた通りであり、地方議会の仕事は地方自治である。議員の目は市民に向けられるべきだ。
さて最近これと同じようなことが起こったがご記憶であろうか。
"It's a boy."
皇孫悠仁氏の誕生である。
http://www.yomiuri.co.jp/feature/fe6800/news/20060907i106.htm
秋篠宮妃紀子さまのご出産を受け、全国の寺社や自治体庁舎に続々と記帳所が設置されている。
一方で宮内庁は、宮家にお子さまが誕生した際の慣例として一般向けの記帳所は設けておらず、「どこで記帳すればいいのか」という問い合わせが同庁に相次いでいる。
http://www.pref.kanagawa.jp/gikai/pg/kaketu/kaketu0609.htm
天皇皇后両陛下に奉呈する賀詞
このたびの皇孫悠仁親王殿下御誕生は県民ひとしくまことに慶びに堪えないところであります
ここに神奈川県議会は悠仁親王殿下の御命名をお祝い申し上げ神奈川県民とともに謹んで慶賀の誠を表しあわせて皇室の御繁栄をお祈り申し上げます
平成18年9月14日
神奈川県議会
(他多数あり)
もちろん似ているとはいっても、誕生と死亡ではだいぶ違う。いつ死ぬか今死ぬかと言ったハラハラ感は当然ないし、プチ狂騒というくらいではある。が、マスコミに踊らされるにしろ、宮内庁をはじめとする権威のお達しにしろ、自ら踊るにしろ、結局踊るやつは踊るのだ。20年たっても、全く変わっていない。
ここにも見て取れるであろう「その呪術的光景」が。「近代的な社会システムや機械文明の被膜をいちまい剥いだその下に現れる、民族的精神の古層」が。そして天皇家を利用して国民の思想統合を目論む、亡霊のような疑似愛国者のかげが。






