わがアナーキズムの偉大なる先達、安部公房に捧げる
A級戦犯の分祀論
===引用開始

<日本遺族会>A級戦犯分祀、勉強会の過半数が容認 
(毎日新聞 - 2007年05月06日 03:11)

 日本遺族会(会長・古賀誠自民党元幹事長)は8日、靖国神社に祭られているA級戦犯分祀(ぶんし)の是非などに関する勉強会の初会合を東京都千代田区の九段会館で開く。昨年来、A級戦犯合祀に対する昭和天皇の不快感を裏付ける証言・資料が相次ぎ、遺族会内にも分祀容認論が広がっている。勉強会メンバーは、現時点で容認派が過半数に達し、勉強会を続ければ分祀容認の結論は不可避の情勢だ。靖国神社は分祀を拒んでいるが、遺族会が分祀を求める方針を決めれば、対応を迫られるのは必至だ。

 昨年7月、「A級が合祀され……私あれ以来参拝していない」という昭和天皇の発言を記した富田朝彦元宮内庁長官のメモが公表されたのに続き、先月には、天皇の参拝が途絶えた理由を「A級戦犯合祀が御意に召さず」として、富田メモを裏付ける卜部(うらべ)亮吾元侍従の日記が新たに発見され、遺族会内には動揺が広がった。

 国立国会図書館の新資料集も、合祀に国が積極的に関与していたことを裏付けたため「分祀を含めた議論をやっていいという気持ちが強くなった」(古賀氏)という。

 勉強会の参加者は正副会長と地方代表の常務理事、幹事ら15人。7月の参院選で改選を迎える副会長の尾辻秀久元厚生労働相ら4人程度は「賛否が割れる」と、分祀論議そのものに慎重だ。

 一方、積極的な分祀賛成派は4人程度、十分な議論を条件とする分祀容認派は4人程度で、分祀肯定派は現時点で半数を超える。元は慎重だったある常務理事は「我々の最終目的である天皇陛下の参拝の障害がA級戦犯の合祀とわかった。新資料が分祀の追い風になる」と柔軟姿勢に転じた。残る態度保留の数人も分祀論議には賛成で、最終的には分祀派の古賀氏に同調する公算が大きい。

 勉強会は、まず78年10月のA級戦犯合祀の経緯など靖国の歴史や過去の遺族会活動を整理し、分祀論議は慎重を期して参院選後に行う予定だ。

 遺族会は長年、分祀については「神社の判断」として触れてこなかったが、A級戦犯合祀を巡って世論が二分し、政治的騒動がやまないため、古賀氏が昨年、分祀論議を提起した。【野口武則】

===引用終了

面白い記事である。ここには現代靖国の抱える病理がみごとに凝縮されている。

> 日本遺族会(会長・古賀誠自民党元幹事長)は8日、靖国神社に祭られているA級戦犯分祀(ぶんし)の是非などに関する勉強会の初会合を東京都千代田区の九段会館で開く。

古賀誠は衆議院議員である。そんな立場の人間が代表を務める団体が一宗教団体である靖国神社の運営方針に口を出すと言うのだ。政教分離を記した憲法にまっこうから反する行為ではないのか?

>昨年7月、「A級が合祀され……私あれ以来参拝していない」という昭和天皇の発言を記した富田朝彦元宮内庁長官のメモが公表されたのに続き、先月には、天皇の参拝が途絶えた理由を「A級戦犯合祀が御意に召さず」として、富田メモを裏付ける卜部(うらべ)亮吾元侍従の日記が新たに発見され、遺族会内には動揺が広がった。

天皇の御心に従うことを至上の命題に生きてきた人間には、その天皇本人による靖国否定論はコペルニクス的転回であっただろう(天皇を屁とも思わない小泉純一郎は全く気にしなかったようだが)。A級戦犯が祀られている靖国神社を参拝することは天皇の御意志ではないのだ。ここで出てくるのが分祀論である。A級戦犯がネックであるなら切り捨ててしまえばいいと云う、単純明快な理屈である。こうるさいアジアの目もかわせる一石二鳥のアイデアだ。

>国立国会図書館の新資料集も、合祀に国が積極的に関与していたことを裏付けた

今更何を言うのか。太平洋戦争の敗戦時には、靖国にはほとんどの戦死者が祀られていなかった。合祀するための戦死者名簿をずっと靖国に提供し続けたのは厚生省である。国は靖国との縁を切らなかったのだ。靖国は現行憲法下においても国家宗教であったことは明白だ。

さて、遺族会の突き上げに従って靖国は分祀をするだろうか?おそらくしないだろう。これは靖国神社のアイデンテティに関わる問題である。靖国は祭神について、ろうそくだとか座布団だとか説明をしてきた。天皇の意志に従っているので分祀は出来ないとも言っている。なんだかんだと小理屈を弄しても最終的に言うことは「分祀は不可能」の一点張りだ。

祀ってやっているのだから、がたがた言うんじゃねえ、と受け取るのが正しい。靖国は戦争遺族の心をもてあそぶための組織である。遺族にナメられてはいけないのだ。

仮に戦犯の分祀に応じたとする。すると、大勢の遺族が家族の霊を返せと分祀を求めて声を上げるだろう。靖国に勝手に祀られて迷惑している人は結構いるものなのだ。つまり、霊的世界における靖国集権体制の崩壊である。

靖国神社は分かっている。なにがあっても人ごとのような顔をして強気でいないと、みずからの権威は保てないのだ。遺族会とは対立せざるを得ない。せいぜいもめて、ドロ試合を展開してくれると愉快なのだが



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自衛隊殉職隊員追悼式
===引用開始

http://www.jda.go.jp/j/news/2006/10/27a.html

平成18年度 自衛隊殉職隊員追悼式
平成18年10月27日

1 日時
平成18年10月28日(土) 10:00〜11:00

2 場所
防衛庁 慰霊碑地区(メモリアルゾーン)

3 顕彰者数
12柱(内訳:陸自10柱、海自2柱)

4 参列者
1. (1) 安倍 内閣総理大臣(予定)
2. (2) 主な来賓  元防衛庁長官、元防衛政務次官、元防衛庁長官政務官 等
3. (3) 参列遺族  約120名
4. (4) 現職  防衛庁長官、防衛庁副長官、防衛庁長官政務官 等

(参考)

1.実施状況
昭和32年以来毎年実施

2.顕彰者数累計(警察予備隊以降、平成18年度追悼式まで)
1,777柱(陸自 972柱、海自 383柱、空自 400柱、その他 22柱)

3.歴代総理大臣の出席状況
1. (1) 昭和32年 9月30日  岸   総理
2. (2) 昭和37年 5月26日  池田 総理
3. (3) 昭和63年10月29日  竹下 総理
4. (4) 平成 7年10月28日  村山 総理
5. (5) 平成 8年10月26日  橋本 総理
6. (6) 平成 9年10月25日  橋本 総理
7. (7) 平成10年10月31日  小渕 総理
8. (8) 平成11年10月30日  小渕 総理
9. (9) 平成12年10月28日  森   総理
10. (10)平成13年10月27日  小泉 総理
11. (11)平成14年10月19日  小泉 総理
12. (12)平成15年10月25日  小泉 総理
13. (13)平成16年11月 6日  小泉 総理
14. (14)平成17年10月29日  小泉 総理

===引用終了

安倍晋三が追悼式に出席すると云うので、自衛隊のサイトを調べてみた結果がこれである。自衛隊死者は顕彰されて「柱」になるようである。靖国のやりくちと酷似している。

http://www.kaikosha.or.jp/new2.htm

>慰霊碑地区創設の呼びかけ人として九月十一日の披露式に出席した森前首相はこうあいさつした。

>「(殉職自衛官の妻は)子供に『父さんは国のために死んだ』と教えるだろうか。それとも『こんな仕事についてはいけない』と教えるだろうか。国に命をかけた人の霊を国が慰めることが遺族の誇りになる」

> 国際平和協力など任務が拡大する自衛隊にとって、慰霊碑地区の整備は、小さくても重みのある一歩と言える。(以上 平成十五年十月二日付の読売新聞より)


森喜朗はあいかわらずとんでもないことを言う奴だ。

>国が慰めることが遺族の誇りになる

自衛隊員を含む国民を殺さないことが国の仕事である。すり替えは止めていただきたい。

>国際平和協力など任務が拡大する自衛隊にとって、慰霊碑地区の整備は、小さくても重みのある一歩と言える。

任務を拡大させているのは政府自民党である。自然に拡大しているような言い方はおかしい。

防衛庁慰霊碑地区は、今後第二靖国として運用すると云うことであろう。少なくとも僕はそう解釈する。
小泉 靖国 中国 韓国
2006年8月15日、小泉純一郎が内閣総理大臣として靖国神社に参拝した。mixi本館に記事を収集してあるので、読んでいただきたい。

記事の中からいくつか要点を挙げてみよう。大騒ぎである。小泉純一郎が靖国に3万円払い、頭を下げて得たものは一体なんだろう。失ったものの大きさをよく考えていただきたい。

首相の参拝が違憲であることは言うまでもないが、小泉に隠れて「靖国神社にみんなで参拝する国会議員の会」なる連中もぞろぞろ参拝をしているのである。
以下のリンクは2004年のリスト。今年の分も分かり次第紹介するつもりである。
http://www.geocities.jp/social792/yasukuni/giin2004.html

中国はさっそく抗議声明を発表した。また、宮本駐中国大使を呼び出し厳重に抗議した。

韓国も「深い失望と憤りを表明する」と声明を発表した。中国と同じく、大島正太郎駐韓大使を呼び、直接抗議をする予定だ。

北京、香港では抗議のデモが行われた。
新華社は「小泉首相が再び靖国神社を参拝、ネットユーザーが強く抗議」とする掲示板を15日、開設した。
ともに日本製品のボイコットを呼びかけている。

この参拝によって、小泉純一郎の首相在任中の、日中外相会談の開催は困難になったとの見方もある(外務省幹部)。

中国の孔鉉佑・駐日臨時代理大使と韓国の羅鍾一(ラ・ジョンイル)駐日大使は15日午後に外務省を訪れ、首相の靖国参拝について谷内正太郎外務次官に抗議する予定。

小泉純一郎は諸外国との外交よりも自分の心が大事なようだ。

*上記「予定」となっているいくつかの抗議は、既に行われている可能性もあります。
靖国にむらがる陸自
下の記事は、じつにあきれた話である。

===引用開始

靖国合祀可否を研究=陸自、イラク派遣前の03年−「組織的関与は困難」

 陸上自衛隊のイラク派遣で、防衛庁の陸上幕僚監部がイラク復興支援特別措置法成立後の2003年8月、派遣隊員が戦闘で犠牲になった場合を想定し、靖国神社への合祀(ごうし)が可能かどうかひそかに研究していたことが12日明らかになった。研究の過程で、合祀については「(陸自としての)組織的関与は難しい」との意見が出された。

 公務として特定の宗教法人への合祀可否を研究することは、憲法の政教分離に反し、公務員の憲法順守義務に抵触する恐れもある。一方、政府は自衛隊の海外派遣を常時可能とする恒久化法の整備を進めたい考えで、戦闘で自衛官が犠牲になった場合の国としての弔意の示し方について、今後議論を呼ぶ可能性もある。

 政府関係者によると、当時陸幕はイラクに派遣した自衛官が死亡した場合を想定し、遺体搬送や葬儀についての実施要項策定に着手。その際、「襲撃による死亡は戦死ではないか」との意見が出され、靖国神社への合祀の可否が研究課題となった。 

(時事通信-2006年8月12日16時0分更新 )

===引用終了

疑問点満載の記事である。ひとつずつみていこう。


> 合祀については「(陸自としての)組織的関与は難しい」との意見が出された。

靖国神社がなにをするのかしないのか、国家のいち組織である自衛隊にはまったく関係がないはずである。「組織的関与は不可能」なのだ。
陸自のやつらは政教分離原則をどう考えているのだろうか。

> 政府は自衛隊の海外派遣を常時可能とする恒久化法の整備を進めたい考えで、

なぜ自衛隊が常時海外に派遣されなくてはならないのだ?あまり妙なことを言わないでほしい。

>戦闘で自衛官が犠牲になった場合

戦闘するのか?憲法は一体どうなる?

>「襲撃による死亡は戦死ではないか」との意見が出され、

イラクで襲撃され殺された、奥克彦大使と井ノ上正盛一等書記官は戦死とは言われない。兵隊が敵と戦って死んだとき、戦死と表現するのである。 戦闘行為による死ということだ。
陸自は戦闘行為を視野に入れていたことが分かる。

陸自は「死亡した隊員を靖国に祀りたい」と考えているのだろうか。僕のような反カルトの立場に身を置くものには理解できない神経である。
国家が最も危険なカルト宗教と手を結ぶ日
===引用ここから

靖国神社の非宗教法人化法案を検討 自民・中川政調会長
asahi.com 2006年08月06日19時17分
 
自民党の中川秀直政調会長は6日、テレビ朝日の番組で、靖国神社について「国が責任を持つ非宗教法人で、政府がだれを合祀(ごうし)するか決めるという法案を出すという印象を持っている」と述べた。A級戦犯の分祀(ぶんし)に向け、靖国神社を非宗教法人化する法案の提出を9月の党総裁選後に検討すべきだとの考えを明らかにしたものだ。
(以下略)
===引用ここまで

麻生よりもひどい。つまり、戦前と同じ国営の神社風組織にする、と言っているわけだ。国が責任を持つとあるが、一体どういうことだろう。昨日も書いたように、非宗教法人=非宗教組織ではないのである。 宗教団体はその行動によって定義づけられるものであり、法人格とは関係がないのだ。

「合祀」が宗教概念だということに気がついていないのか、国民は気がつくまいと馬鹿にされているのか、いずれにせよ暗澹たる気持ちになる。

なお、はっきりと言っておくが、僕は靖国は解体するべき、無宗教の戦没者慰霊組織なども作ってはいけない、と考えている。

その理由はおいおい記していくことになるだろう。